BATTLES
(2007.07.31 / 04:00:52 /WHITE STAGE)

BATTLES
(2007.07.29 / 21:07:39 /WHITE STAGE)

BATTLES

破壊と再構築の音楽

 clammbonのピースフルなステージが終わった。続いて2007年のフジ・ロック3日目にして、ホワイト・ステージ至上最高とも言える変態音楽シリーズが始まる。その最初を飾るのがBATTLESだ。

 人間は生まれながらにして協和音を好む、と聞いたことがある。しかし、それはきっと嘘だ。そうでなければ、BATTLESの音楽がこんなにも多くの人に受け入れられるはずがない。クラムボンで既に満杯だったホワイトステージにはさらに多くの人が詰めかけ、入場規制までかかったのだ。

 魔界へ誘い込まれるようなシンセの音に続いて不穏なドラムの音が苗場の山に轟き、“Race:Out”からBATTLESのステージは始まった。聴こえてくるサウンドに圧倒されているうちに、あっという間に“TIJ”へとなだれ込む。耳に痛いほど硬質なドラムの音、脳が切り刻まれるようなギターのリフ、不安心を煽る音色と旋律、全く予測不可能な変拍子連続のリズム展開…それらが組み合わされたBATTLESの音を聴いていると、自分の中の従来の音楽概念がガタガタと崩れていく。ただ、こうやってそれぞれの要素を文字で羅列すると食べ合わせの悪い音楽のようなのに、実際に聴こえてくる音は不思議とタイトで、一つ一つの音が尋常ならぬ緊張感を放っている。それでいて楽曲としてのポップさも失われていない。「完璧」という表現以外に思い当たらないほどに計算されつくした、破壊と再構築の音楽なのだ。

 そしてそれらの音がその場で作られるというところがBATTLESの凄い点である。ギターやベースのフレーズをリアルタイムでサンプリングし、エフェクト処理してループをかけたり、さらにキーボードや生声を重ねてたり…と、真面目にその過程を追おうとすると頭がおかしくなりそうだ。

 ライブは“Atlas”でクライマックスを迎えた。日本の祭囃子に通ずるリズムに、会場中がカオス状態になって踊り狂った。通常難解と思われるBATTLESの音楽に、何千人という人が狂喜する光景は圧巻の一言だ。

 彼らの音楽に完全に意識を奪われているうちに、あっという間にステージは終わってしまった。感覚時間的に短く感じられただけかと思ったが、実際に時計を確認してみても演奏時間は短かったようだ。若干物足りなさを感じたが、これで丁度良かったのかもしれない。だって、この後V∞REDOMES、JUNO REACTORと続くなんて、私はどうにかなってしまいそうだったから。

<セットリスト>
1.RACE:OUT
2.TIJ
3.SZ II
4.TRAS
5.TONTO
6.ATLAS
7.LEYENDECKER
8.RACE:IN


Reported by philine (2007.07.31 / 04:00)