PARA

無個性が生み出す個性

 2日目朝一番にオレンジコートに流れた曲は「Cube」。まだ気温もそこまで上がりきっておらず時々吹いてくる心地いい。その風の中をPARAの奏でる音がポップに、そしてひたすら淡々と進んでいく。

 ミュージシャンは自分の個性を出してなんぼ、ライブでは自分らしいパフォーマンスでプレイヤー個人の魅力にオ−ディエンスを引き込みたいというのがたいていのアーティストではないかと思うし、聴く側もそういった部分を楽しみにしていると思う。しかしPARAはそういった個人の個性というものがない。ないというよりかはそれをあえて出さないように、自分のためにではなく“PARAのため”に演奏しているのでメンバー1人1人をクローズアップしたときにそう感じるのだ。音作りのときには作ったフレーズをそのまま使わず譜面の逆から演奏してみて新たなフレーズを生み出したりするらしい。彼らは一体どこまでいちプレイヤーとしての自分を追い詰めるんだろうか。

 そんな感覚の部分ではない計算された曲を演奏するためか、メンバーの前には譜面台が立てられている。ドラムの音が打ち鳴らすのではなく刻むように叩かれ、キーボードはディレイがかかっているのかと思いきや人の手でわざと遅れるように弾いている。ブレイクからいっせいに音を出すタイミングもドラムのスティックの振り下ろしに合わせるわけではないのか手前にいるメンバーが後ろを振り向くこともない。これは純粋に、そしてストイックに音楽というものを突き詰めた1つの答えなんじゃないだろうか。そして不思議なことに個性を無くしたプレイヤーが集まって演奏するとバンド全体の個性が浮かび上がってくるのだ。

 

 最後にギターの山本精一が「MY BLOODY VALENTINEに捧げます」といって「Arabesque」が始まった。まるでマイナスとマイナスを掛け合わせるとプラスになるように、突き詰めた先に起こる逆転劇を繰り広げ、彼らだけの個性でオーディエンスをふわふわと揺らした。

Photo by Nozomi”wacchy”Wachi








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Para (Seiichi Yamamoto)

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syamamoto/syamamotoj/






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"Carricuram"

(国内盤)



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"X-GAME "

(国内盤)



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Reported by nazu (2008.07.27 / 00:37)

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