キセル

フェスでこそ聴きたい音

 単独で見たいアーティストと、フェスで見たいアーティストがいる。私の中で、キセルは後者だ。もちろん単独公演もそれはそれで素晴らしいのだけれど、今回キセルのステージを観た直後の感想は「やっぱりキセルはフェスで観るに限るなぁ!」というものだった。

 通常ライブを観るときはどうしても「見なきゃ」「聴かなきゃ」「楽しまなきゃ」という思いが先走ってしまう。1アーティストのためにそれなりの対価を払っている単独公演だと尚更だ。その究極のところにいるのが、所謂ビジュアル系と呼ばれるアーティストなのだと思う。派手な演出、お決まりの振り、アンコール定番曲など、個性が充分に発揮される単独ライブこそのアーティストのライブを充分に楽しめる機会なのだ。

 逆にキセルの音楽はそんな“押しつけがましさ”が皆無なのだ。実際オレンジコートには多くの人がつめかけていたのだが、レジャーシートの上に座りご飯を食べながら聴いている人や、土手に寝転がりながら夢うつつで聴いている人が非常に多かった。そして、なぜだかそれが一番贅沢なキセルの聴き方のように思える。フェスティバルの魅力である"As you like"の精神と、キセルの音楽が放つ雰囲気とが合致しているのだろうと思う。

 最新アルバム『magic hour』中心の選曲になるかと思ったが、「写真」「君の犬」「ビューティフル・デイ」の3曲のみで、彼らのメジャーデビューアルバム『夢』から「火の鳥」や、ライブでは久々となる「タワー」など、新旧の楽曲をバランスよく織り交ぜたセットリストとなった。キセル兄弟の撫でるような声に、アコースティックなギター、そしてエマーソン北村が加えるフワフワした夢心地な音色が何とも気持ちいい。

 フジロック出演は4回目となる彼らなのだが、「いぇ〜い!フジロック!」と叫ぶ声もまだまだ遠慮がちで、MCも相変わらずのんびりマイペース。ヘブン、アヴァロン、苗場食堂、そして今年はオレンジと苗場食堂、と苗場のステージを転々としている彼らだが、次で観られるのはどこだろう。ドラゴンドラ山頂なんて最高に贅沢だと思うのだけれど。 

photos by yoshitaka

〜セットリスト〜
1.渚の国
2.ベガ
3.タワー
4.火の鳥
5.写真
6.ナツヤスミ
7.君の犬
8.ビューティフル・デイ
9.ギンヤンマ







The official site

Kicell

http://www.nidan-bed.com/

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the latest album


crooked fingers


"magic hour" (国内盤)




previous works


crooked fingers


"旅" (国内盤)





"窓に地球"(国内盤限定DVD付き / 国内盤)

"近未来"(国内盤)

"方舟(MAXI)"(国内盤)

"ギンヤンマ(MAXI)"(国内盤)

"ホロホロ(MAXI)"(国内盤)

"夏が来る (MAXI)"(国内盤)

"タワー"(国内盤)

"君と旅/ペラ子の唄"(国内盤)

"夢"(国内盤)






compilation etc.



"Tribute to David Bowie"(国内盤 / iTunes)

"ハンマーソングス~SPEEDSTAR RECORDS 15th ANNIV.COMPILATION~ "(国内盤)

"Apple of his eye りんごの子守唄(青盤)"(国内盤 / iTunes)

"タワー"(国内盤)

"君と旅/ペラ子の唄"(国内盤)






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Reported by philine (2008.07.27 / 15:58)

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