でぶコーネリアス

圧巻の不充分がフジロッカーズを喰った

 最近気付いたが、若さはそれだけで武器になる。『耳をすませば』で老人がラピスラズリ弄りながら「この未完成の美しさが」などとおっしゃっていたが、それだ。繊細さと暴力的なまでのテキトー加減の共存。それは、何をするにも慣れを背負った大人には掴むことのできない大きな価値として映る。

 CD音源でもズレズレの演奏が不快音スレスレなジャムトラック「ARAKAWA RIVER MAGIC」を入り口として、素敵なヤング世界を見せてくれたのが、このバンドである。地元仲間のコピーバンドだった若者たちが、銀杏BOYZの峯田和伸にバンド名を尋ねた結果生まれたバンド名は体を表し、音楽性は「きーみのこーころはー、ひびわーれtギャアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」とテキトーそのもの。バンド編成はギター2本にベース&ドラム、そしてボーカルというものだが、その音は3ピースでも十分出せ得るものにしか感じられない。

 「皆さん、おっぱいは好きですか!」「ウィーアーデブコーネリアス、ワールドフェイマス」「今日のためにTシャツ作ってきたんですけど、スペルが間違ってるって今日気付きました。CDも売っています。こんなに物販が充実しているのは珍しい」――言葉にならない絶叫ばかりが大半を埋める楽曲群、その間に挟まれるMCもこんな具合だ。

 受け止める全てが混沌としたおかげで、ステージ前の10人少々を除いた全ての人を棒立ちにさせた、30分19曲。蒼々とした狂気が全力で襲い掛かってきたこのステージは、100をゆうに超えるフジロックのアクトの中でひときわ完成度が低く、そこら辺の木を削って出来たこん棒みたいなシャープさで、そして、どんなアクトよりもインパクトと高揚感を見る者(のおそらく一部に)刻みつけた。

 ああ、でぶコーネリアスよ永遠なれ!彼らに「汚れちまった悲しみに」を歌う日が永遠に訪れないことを、僕は心から祈っている。

photo by Saya38 Takahashi






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でぶコーネリアス


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Reported by ryoji (2008.07.28 / 02:16)

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