THE BIRTHDAY

仮説:チバは何処へいこうとしてるのか

 知らない国の艦隊がきて鉄のカタマリを
 22発撃ち込まれたけど誰も死ななかった
 (中略)
 夢を見ようぜ BABY
 世界中どこでも空は青いはず
 きっとうまくいくさ 
 
 この日はやらなかったが、これは「ALRIGHT」の歌詞の一部である。チバユウスケは明らかに転換を迎えていると思う。これほどあからさまに希望を歌うことはミッシェル時代はほぼなかった(「GIRLFRIEND」でちょっとその片鱗があったくらい?)。以前どこかで、「チバの歌詞は道(タオ)の諦念、闇があるから光もまたあるということから逆説的に希望を歌っている――というようなことを書いた覚えがあるが、ここにきてその方法論は完全に逆化してしまった。一時期のトム・ヨークのように、絶望を積極的に認めることで希望にやっと辿り着くというような方法論は、消えかけている。チバはミッシェル時代とは別のことを、同じフォーマット(=ロックンロール)で、新しい仲間と共に表現しようとしてる。

 そのため……なのかどうかはまだ確信が持てないが、ザ・バースデイのステージングは、ミッシェルよりロッソよりさらに余計なものが削ぎ落とされたものになっていた。MCは前身バンドよりもさらに皆無に近くなった。曲もチューニング時以外は、矢継ぎ早といった感じで演奏される。ひたすら飾りなく、自分の思いを伝えたいから、ただただそこにあるものをそのまま渡す、そんな感じで。リズムが崩れたのは「プレスファクトリー」で歌詞を間違えかけた時くらいで、後は淡々さえといってもいいほどの進み方だった――いや、もちろん、轟音のロックをやっているのだけれども。でも、そんな印象なのだ。

 中盤から後半。「SHINE」では「すべてが輝いてる/争いも黙る」とチバらしくもなくポジティブに歌い、しかし「STUPID」ではやはり、絶望も希望も神も悪魔も本質的には等質なものであると叫ぶ。立体はみんなニセモノといい、垂直なんてこの世にはないと語るこの男の世界観は、もはや色空是空の境地に達している。しかし、その本質をどこまで伝え切れるのか。この先はあるのか、あるとすればどういう形なのか。この日のショウは唐突に終わった。サンキューという一言と、さらなる進化の可能性と、熱狂と呆然の見事真っ二つに分かれた観客をその場に残して。







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Photo by NAOAKI OKAMURA


Reported by joe (2008.08.01 / 00:01)

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